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ブルボン小島の逃げるが勝ち!
初めまして、ブルボン小島です。 最近スーパー戦隊にはまっておりまして、感想をランキングでまとめたりしています。他にも小説、阪神タイガースや競馬予想、ももクロにモバプロと広範囲にわたった内容となっております。禁煙についてのアドバイスなんかもやっておりますので、お時間の有るときに是非一読下さい!
小説 あなたが愛した記憶
こんにちは。

今日は久しぶりに小説を1冊ご紹介します。
私小説はかなり数読むのですが、中々こちらでご紹介できず
本当にすみません。

ということもあり、これから少しずつでもコンスタントに
紹介出来たらと思っています。

さて、今日ご紹介するのは、誉田哲也さんの

「あなたが愛した記憶」です。
                           あなたが愛した記憶

【小説について】
2012年に集英社より出版されたミステリー小説。
表題と表紙の女子高生の後姿から出る哀愁の
ミスマッチが読みたいという気持ちをそそります。


【あらすじ】
主人公の曽根崎栄治は探偵稼業を営む47歳の独身男。
とても誠実で周りの人達からも愛されているこの
曽根崎が、赤ちゃんを扼殺してしまった事実から
物語は始まる。

弁護士にも何も語ろうとしない曽根崎が抱えている
悩みや覚悟に向かって物語は過去を遡っていく。

OL監禁殺人事件が2件発生、それも同様の手口から
連続殺人事件として捜査が行われる。

殺された2人は暴行された上に両手の親指が切断されて
おり、そして生理中
だった。

その頃、曽根崎栄治は19年前に別れた真弓の面影を
追いかけつつも興信所経営者として黙々と働いていた。

そんな栄治の所に1人の依頼人がやってくる。
村川民代と名乗る女子高生は、人探しの依頼をすると共に、
なんと栄治の娘だと名乗った。驚愕する栄治と冷静に
その光景を分析する民代は更に以外な言葉を発する。

探してほしい人の中に、

今世間を賑わせている犯人が居る
と。

馬鹿馬鹿しいと考えながらも民代が他人には思えない栄治。
そして物語は

2人をとりまく因縁のど真ん中へ突き進む。

民代と殺人犯の数奇な運命、最後にとてつもない
判断を迫られる栄治、果たしてどのような結末を迎えるのか!

【感想】
いつものように張り巡らされた伏線をどうやって刈り取って
くれるのかとドキドキワクワクしながら読み進めました。

導入部分の栄治と弁護士のやりとりから徐々に引き込まれて
いき、気が付いた時には物語が半分終わっていました。
スピード感あり、リアルな背景描写としっかりしたキャラクター
設定が読み手の感情を促進してくれます。


そして後半部分へ突入というジャングルジムのシーン
事件は発生し、突如現実に引き戻されました。
後半部分もスピード感は衰えることなく読み切りましたが・・・。

全般的には面白い作品でしたが、元来ファンタジーが苦手という
事もあり、更にそういった雰囲気をジャングルジムまで持ち込ま
なかったにも関わらず、いきなりだもんな~、電車の中でしたが、
読みながら

「えっ!」

って発声してしまった。(汗)

残念というのとは違うのですが、期待を悪い意味で裏切られました。
でも、読む価値は十分にある作品だと思います。

【ネタバレ】
私の中でジャングルジム前と後という分け方をしてしまう作品で、
ジャングルジム前は、私の好きな誉田節全開の推理小説で、
どうやって犯人にたどり着くのか!またプロローグにどうつながるのか
期待に胸を膨らませていました。

しかし公園のジャングルジムの上で展開が一変
あ~この本の表題にもなっている記憶ってこういう事だったのね。
でも

小さな幼女におっさんの記憶や人格って・・・

それも

男女の容姿と記憶がごちゃまぜ

というのも一層感情移入し辛かった。
基本的にファンタジー系が苦手な私からすると、かなり物語に
入り込んでた私を、現実世界に無理やり引き戻された感じでした。

まあ、だから犯人を追いつめる事が出来たわけで、最終的なバッド
エンディングに繋がっていくわけですけど、

もう少しリアリティの
ある展開を期待してました。


更に最後の裁判では無実が証明されるのですが、現実的にこれと
同じ事が起こったら、ほぼ実刑でしょうね。

記憶が引き継がれていく、人格は別の人格だ!なんて、認められ、
無罪まで持っていく事は、至難の業だと思いますし、それであれば
もう少し弁護士の奮闘が見て観たかった、そこだけで1つの短編に
なるくらいの充実さも兼ね備えたものとして


【最後に】
総体的には面白い小説でしたが、前半に比べると後半は期待した
方向では無かった事が心残りですね。でも、伏線は全てスピーディー
に刈り取られ、余韻を楽しませる誉田さんのテクニックは堪能できる。

こういった小説はホラーサスペンスと言われる部類になるそうですが、
それに少しファンタジーが入ったような今回の作品を好まれる方は、
一度読まれることをお勧めします!


では。

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小説 ヒトリシズカ
今日はなんとも朝から晴れたり、大雨だったり出掛けから顔をしかめ
てしまう天候。最近寒かったり暑かったりで身体の調子もいまいち
良くありませんが、皆様も体調管理には十分お気を付け下さい。

さて今日は先週読み終わった小説を1つご紹介します。
以前私が好きな作家さんは4人居るとお話しましたが、
その内の1人、誉田哲也さんの「ヒトリシズカ」をご紹介します。

ヒトリシズカ


【小説について】
「ヒトリシズカ」は誉田哲也さんの真骨頂である女性を主人公とした
刑事小説です。といっても主人公は警察官ではなく、1人の少女です。

ここで誉田哲也さんについて少々。

誉田哲也さんは

女性を描かせたら右に出るものは居ない

と思うくらい作品には数多くの魅力的な女性が登場します。

有名なところでドラマや映画化される「ストロベリーナイト」
姫川シリーズ。警察の男社会の中で強くそして時には弱い部分も
部下に見せてしまう、魅力的な女性が主役のシリーズです。

そうかと思えば女子高の剣道部に在籍する全く性格も家庭環境も違う
2人の少女の友情を描いた「武士道シックスティーン」
シリーズ。

そして、ロックにかける熱く真っ直ぐな女性を描いた「柏木夏美」
シリーズなどなど、本当に様々なタイプの女性が出てきて、それが
全て違う表情を見せてくれます。

その他TVドラマにもなった「ジウ」シリーズなど。

今回の「ヒトリシズカ」も1人の女性を巡って多くの人間がその魅力と
渦に巻き込まれていく作品で、今までの誉田小説に出てきた女性たち
とはまた違った魅力があり、また

6編の短編集が1つの物語を形成する

という個人的には新感覚の小説で(他にもあるのでしょうが、経験値
不足で・・・)本当に読み応えがありました。

【あらすじ】
小金井警察署新小金井交番に努める木崎巡査部長が近所で
起こった発砲事件に遭遇するところから話は始まります。

殺されたのは奥山組傘下の猪俣組の小池。小池は女子高生に
売春をさせていたことから恨みを買い、殺されます。すぐに
容疑者も浮かんだことから事件は解決へと向かいます。

しかし、不審に思った木崎はこの後、この事件の裏側に迫っていく
事となります。

その後西新井署の山岸、探偵の青木、八王子署の伊東、麻布署の
矢部、最後が警視庁の藤岡
という刑事及び探偵がそれぞれ別の
事件で同じ女性を追いかけることとなります。

かなり初めの初めしか書いてませんが、これらは1つの章が短編に
なっているため、丁寧に書いてしまうと、ほとんど内容説明して
しまうこととなるので、おおざっぱな説明となる事、ご理解下さい。

【感想】
私は誉田さんの小説は大好きなのですが、この作品も面白かった。
章立ての感じは東野圭吾さんの「新参者」に似ていると思いました。
また、謎の女性は「白夜行」雪穂を連想させますね。

そしてTVドラマにし易いだろうな~とも。WOWWOWで放送されますが、
加入を検討してしまうほど、面白かったです。

特にキャラクターや背景をきっちり描いてくれていて、且つリアルに
その状況を読み取ることができる文章力に一番惹かれます。
特に最後の6話目はそれまでに張った全ての伏線を一気に刈り取る
怒涛のラストなので、

思考が停止するほどの極寒の地で、

身体が冷えに冷えたところで浸かる

温泉の如く(わかり辛い・・・)


極楽な気分を味わえます。

これでも警察小説なのか・・・難しいところです。
たしかに出てくるのは刑事であり、次から次に事件も起こるのですが、
刑事が活躍するという類のものでは無いことも、おすすめの1つです。
ただこれほどネタバレなく説明するのが難しい小説も無いですね。
是非皆さん、一度読んでみてはいかがでしょうか?

【ネタバレ】
ふぅ~やっと話せる(汗)
この物語は1人の警察官の娘、静加を巡るミステリーです。

最初の木崎が関わる事件を読み終わったとき、なんともあっさりした
話しだな~と思いました。特に裏をかくようなストーリーでもなく、
なんとなく空かされたような気になりました。

静加自体もそんなに全面には出てこなかったこともあります。
しかし2話目からこの小説がどういうものかが見えてきます。

西新井署関内で起こる殺人事件、これに2人の少女が関係して
くるのですが、山岸刑事がひとめぼれする少女の引き立て役的に
出てきた少女が実は静加なのです。

最初はただの端役的な存在である彼女が、話しが進むにつれて
外見からは想像できない闇を持っている事に気づかされます。

そしてその闇を解き明かしにかかるのが3話目の青木探偵です。
彼は静加の存在に気付き、身辺を洗い出します。きっとこの
探偵が真実を明かすのだろう~この先に何が待っているの
だろうと思っていたら、青木の上を静加は行きます。

そしてちょろっと見える誉田作品のグロい部分が出ます。
武士道16とか疾風ガール書いている人とは思えないですね(汗)
それぐらいのインパクトを残して3話目が終わります。

そしておぞましい程の悪に染まった背景が4話目で明かされます。
ただこの4話目については、よく出来ている話だとは思うのですが、
静加がそこまで悪に走る、背景が弱かった気もします。

たしかに母親の連れてきた男に暴行され、それに対して母親は見て
見ぬフリをします。少女には大きな心の傷が出来たことでしょう。
でも静加の言う

「あたしは暴力を否定も肯定もしない。

ただ利用はする。 あたしなりのやりかたで

暴力をコントロールする」


というくだりに繋げるにはもう少し違った味付けもありかと
思いました。それに

8歳の女の子が、いくら何でもあんなに

冷静に行動出来るものでしょうか・・・


フィクションですけどね(汗)

5話目は自分を捨てた父親に対する復讐と共に、生き別れに
なった妹との交わりが描かれます。ただ今までぬくぬくと
父親の元で育ってきた妹を助ける気持ちというのが腑に
落ちませんが、決して父親に愛されていたわけでは無い妹に
自分を重ねたのかもしれませんね。

結局ここで助けた妹との関係がラストで静加を1人の人間、
1人の女性に戻してくれる
事件となります。

6話目、最後の終焉を迎える場面。てっきり捕まったのは
静加だと思った私って浅はかでした・・・(汗)
最後に妹の子供を命がけで救うことで、

ヒトリシズカという花の花言葉・・・

隠された美・・


最後に静加の中に嘘で隠されていた人としての愛が出た
のではないでしょうか。またこのラストに至るまでに
木崎から始まった長い物語に連れ添ってきた刑事達が
終結して、一気に謎が解明されていきます。

最後のスピード感、半端ない!

さすが誉田哲也さん!


ただでは帰しませんよって言われているみたいでした。

【最後に】
最初に出鼻をくじかれるほどの普通の話だった事もあり、その後の
スピード感と静加の悪を背負った振る舞いにただただページを捲る
事が抑えきれず、最後のフィニッシュまで本当に楽しめました。

誉田さん、やはりあなたの小説、好きです。


では、今回はこれまで。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました~!